多くの方が肩凝りという存在に鬱陶しく辛い思いをされていると思います。

今回は、肩凝りというものについて簡単に解説させていただきたいと思います。

どこに行っても治らない、なにをやっても治らない理由が少し分かるかもしれません。

●凝るのは筋肉

辛い肩凝り、時には痛くも感じる肩凝りは筋肉に起きています。

筋肉が縮んだままの状態が長く続くことで筋肉を通る血管を締めつけることで血流が悪くなります。

血流が悪くなることで筋肉の栄養状態も悪くなり、凝り・痛み・痺れなどが出現します。

こうなると身体の動きも悪くなり、届いていたはずの高さに手が届かなくなったり、振り向いた時の視野が狭くなったりしてしまいます。

筋肉に凝りが起こるということは、肩だけではなく全身の筋肉に凝りは起こるということです。

●日本人は肩凝りが多い?

肩凝りは筋肉に起こるのだからどんな人種にでもあるだろうと思っていましたが、日本人ほど辛い思いをしていないように感じました。

これは、僕がシアトルマリナーズの選手達を治療し、関わった経験から感じたことです。

選手だけでなく男女含めた球団スタッフに於いても肩凝りに悩む割合は10%程度だったように思います。

チームにはアメリカ、中南米の選手がほとんどでしたが、なぜ肩凝りがひどくないのか考察してみました。

人種の違いで起こる肩凝りは、骨格と姿勢によるものであることが分かりました。

日本人は胸郭(簡単に言うと胸板)が薄く小さいために鎖骨が下がりやすくなることで巻き肩が起こり猫背になってしまいます。

猫背になることで頭部も下がり、全体として前傾姿勢になるわけです。

職業での違いを考えれば、選手は多くの筋肉を様々な方向に動かしますし、球団スタッフも他の職業と比べると体を動かすことが多くあります。

デスクワークの多いスタッフも選手に混じってトレーニングをしている方もいたことを考えると、全身の運動量と肩凝りの関係もあるように思います。

●姿勢が悪いと肩が凝る

先ほど日本人の骨格の特徴についてお伝えしましたが、巻き肩により上肢(肩の付け根から指先)が前方に位置することで関節の位置関係が狂ってしまいます。

骨格が正常な位置にないことから、肩が外れないように肩関節周辺の筋肉が頑張らないといけなくなってしまします。

そのことにより肩が凝り、肩関節の可動が悪くなり様々な症状を引き起こす原因となります。

また、猫背になってしまうことで頭部が前下方にズレていきます。

頭部に於いても頸椎の一番上の骨にまっすぐ乗らなくなってしまうことで、不安定な頭部を支えるために首、肩の筋肉が頑張らないといけなくなってしまい、首・肩・背中を覆っている僧帽筋、後頭部から背中をまっすぐ通って骨盤まで伸びている脊柱起立筋までも負担が加わり凝ってしまいます。

ということは、関係の無さそうな腰痛の原因にも成り得るということです。

●肩凝りは自分で作っている

不良姿勢で肩が凝ることはお分かりいただけたと思います。

ただ、その不良姿勢のほとんどはご自身で作っています。

立ち方・座り方・歩き方が悪いことと、ご自身が肩に力を入れていることで肩凝りを作ってしまうのです。

先ほどは、関節の位置関係が良くないことで筋肉に力が入るお話をさせていただきましたが、それとは別に無意識に筋肉に力を入れてしまっている方もたくさんいらっしゃいます。

精神的な緊張が強い方も、筋肉に力を入れていることで安心するので肩が凝ってしまいます。

上肢と頭部の重さはともに約4~6㎏もあります。

これらを支えたり持ち上げ続けると、首や肩の筋肉がひどく凝ることは容易に想像できますよね。

おさらいすると、凝りとは筋肉の収縮が維持され続けてしまっている状態、筋肉が伸び難くなってしまっている状態です。

筋肉が伸び縮みし難いということは、筋肉が思ったように仕事ができないということになるわけです。

体を動かすことは元より、血流や代謝も悪くなってしまいます。

たかが肩凝りでは治まらないこともありますし、肩凝りと思い放置していた結果、実は肩凝りではなく内臓の不調を訴える症状である場合もありますので、先ずは、肩凝りが作られる原因を少しでも減らせるように意識して生活することをお勧めさせていただきます!

各務原活法整体センター

後藤周士

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